33 えと・おーるつうしん33号 [2004.03.15] ■竹内敏晴レッスン
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■私のピアノの先生
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私のピアノの先生       by S.S
2003・9・9

 私はその時、大人と子どもの関係に不満を持っていた。そのことは、ほとんどの大人がわかってくれない、というか会った事がなかった。その事で母にぶち当たることがある。

 ある時のピアノの授業で母とのけんかの話をしていた。そこでぼそりとつぶやいた。「大人と子どもは考えることがぜんぜんちがう。心理的に大人と子どもはすれちがっている。」先生は興味を示し、「そう言うの知りたい。ぜひ教えてくれる?」と言った。私は少しとまどってしまった。そうゆう大人は始めて見たからだ。話すのも初めてだった。話すのが苦手な私は困ってしまった。だけど今思うとほんとに良かったと思っている。その事を皆さんに知っておいてほしいのだ。

 私は、自分が考えている事を話した。たとえば「先生、あくまで私が考えていることだよ。違うのかもしれないしあっているかもしれない・・・あのね、私が思うに大人はぁ子どもの・・気持ち?とか心?って言うの?わかってないような気がするのね。あの〜親に言えない相談事や隠し事がいっぱいあると思う少なくとも私の家では。子どもの気持ちをわかる大人はいない。そのかわり大人の気持ちがわかる子どももいないような気がする」といった話をした。先生はちゃんと聞いてくれていた。なんとなく、嬉しい気がした。

 何でこのことを先生に早く言わなかったんだろうと心の底から思った。先生は感想?を聞かせてくれた。「先生がね、思うのはね、時代・・・その人たちの生まれた時代と、その子どもが生きている時代との違いのせいだと思うよ。自分が生きてきた時代と、今、子どもが生きている時代、全然違うと思うよ。先生の時代はカラーテレビがなかったもん。カラーテレビが始めてくるの!ワクワクって言う時代だったんだよ。信じられないかもしれないけどね。」その時私は、とてもおどろいて「え!カラーテレビがないの!!うそ〜!!」とかいってしまった。でも、時代の流れって本当におもしろいんだな、と思った。

 私は、そう言う事がわかる人間になりたいと思っている。この時代の動き、自分の生まれた時代と、子どもの生まれた時代が違うという事をいろいろな大人にわかっていてもらいたい、と願っている。と、えらそうな口たたいちゃいけない(かも知れない)10才のわたしであった。



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