ここ最近巷では確定申告が流行ってまして、ラジオでテレビでも税金を題材に流れております。新聞・雑誌においても「賢い税金大作戦」とか「いまでも間に合う還付金」とか色々なテーマで取り扱われております。
毎年この時期はそんなこんなで税金の話が流れております。
私も一応はプロの税理士でありますので、今回は税金の話なんぞ少し書きますね。
毎年、この頃になると沢山の医療費の領収書を持ち込んで来る人が後を絶ちません。
確定申告でサラリーマンが一番馴染みがあるのが「医療費控除」ではないでしょうか。
歯の治療から始まり、子供のアトピー、怪我、入院、老人のケア等々です。これらの領収書の束が税理士事務所に届く頃、忙しい時期の始まりです。
サラリーマンにとって、普通の税金還付は年末調整で返って来るのですが、何故か医療費控除は確定申告をしなければ戻ってきません。これは何故かと言うと、医療と名の付く領収書を何でもかんでも税金還付の為に引いてしまうので確定申告にてプロが医療費として判断をしたものでなければ控除が出来ないのと言うのが、この医療費控除の制度なのです。まっ、税金が戻ってくる手続きと言うのは一応に面倒で、手間が掛かるものなのです。
さて、本論の医療費控除。
「その年に支払った医療費・交通費の合計から 保険金・高額医療費負担金等を引いた金額が10万円を超得た場合には、その年納めた税金から、その超えた医療費に見合う税金を控除できる制度」なのだが、この説明の都合の良い所だけ聞いて申告相談に来る人が後を絶たない。
●「愛犬の治療費だけで年間10万円を超えているので確定申告を」
●「納付した税金がないけど、医療費が10万円を超えているので還付できますか」
●「糖尿病なのだが、治療の為にコンビニで「ヘルシア緑茶」を買って飲んでいる、これは医療費ではないのか」
●「テレビショッピングで腰痛が治る椅子を買った、治らなかったけど医療費控除して」
●「痴呆老人の介護施設で入院しているけど、この入院費を全額控除して」(これは半額です)
●「払った医療費より、生命保険でもらったお金が多いけど、税務署には分からないと思うので還付申告して」
●「癌の治療の為に、インドのサイババの所に行って祈ってもらった、治らなかったけど、旅費交通費・お布施を医療費として引いて」
●「東京の有名な気功師さんが、岡山の私の所に念力を念じてくれて治療してもらっているのだが、そのお礼は医療費だろうか」
●「昨年の医療費は3万円前後だけど、今年医療費が出そうなので、昨年の医療費をポイントとして持ち越したい」
●「労災適用で指圧・マッサージを受けているが、これにエッチな風俗マッサージ料金を加えても良いか。」等々…(__;
この様な相談が今まで実際にありました。
そして一部を除いて、これから医療費控除として引くことは出来ません。
この説明をし、納得してもらうのは大変難儀な出来であります。
そんな確定申告も明日で終わる。
(この原稿を書いているのは3月14日、仕事をサボって書いてます)
あまり参考にはならないかも知れないけれど、医療費控除の説明でした。
お粗末でした。
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