私の仕事は税理士で、自宅の近くに事務所を構え、色々な人達のお仕事のお手伝いをしている。
ついこの前までは確定申告の作業をすすめ、多くの個人経営者、年金受給の老人、資産の譲渡、財産贈与、給与の還付等々の申告書を作っている。多種多様の仕事をしている人達、色々な人生を過ごした人達を相手に仕事をするのだが・・・、一番苦労するのが「言葉を伝える」だ。まぁ、仕事柄「言葉を伝える」よりも「法律を伝える」になるのだろうが・・・。
独特の人生を歩み、自分だけの常識・価値観を持ち合わせ、他人の話を聴かない人達って多い。それは大人・老人だけでなく、意外と子供達も多いのだ。
実は、確定申告の忙しい最中に一番厄介なのは大人の言う事が理解できない子供達を連れてくる申告者だ。殺気立って居る事務所にて騒ぎまくる子供、食べ物をボロボロとこぼす子、職員の仕事の邪魔をする子、大切な書類を手に取ろうとする子供達・・・。そして、そんな我が子の諸行を怒らない親・・・。
どう見たって、事務所には迷惑だし、お客様自身もそれが理由で話が進まず、思うように説明が出来ていない。ここは、親がもっと厳しく怒るべきなのだが・・・、なかなか躾けようとはしない。そして、子供はさらに調子に乗って遊びだし、大きな声を出す。
それを怒ろうにも、怒りにくい…、でも「ここは起こる場面だろう。」 少なくとも、大人の真剣勝負の場だから、「その真剣の怖さを伝えるのも良かろう・・・」とか思い、かなり怖い形相と迫力を背景にとても優しく「ここは遊ぶところではない。我々の仕事の場だから邪魔をしないで。」と伝える。
多くの場合、私の形相に驚き慌てるのは・・・、子供より、その親であり、驚き慌てて子供を車の中に入れてしまう。 でも、何故に私がそんな態度をしたのかは…、今一つ理解していないようにも思える。まぁ、私も本来ならばその説明をし伝えなければならないのだが。
今の私の課題は、我侭なお客様の子供の指導ではなく、円滑な確定申告作成なので、その後は確定申告作業に移ってしまう。
毎年、そんな子供達を見ながら「子育てって大変だなぁ。」と思い、心底考えてしまう。
我家も子供は四人居て、七歳の次女と五歳の次男坊は、目が届かず「野生化」している。そして、やはりそんな生活態度が出てしまい、「親として失格だなぁ」と痛感することも多い。「子育て、人の子を見て、我が身を省みる。」字余り(^^;
確定申告をしながら、そんな事を思いました。
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