41 えと・おーるつうしん41号 [2005.07.31] ■ふぞろい野菜村便り
■最近のいろんなこと16
■あさがお新聞
■口先徒然草26
■葉っぱのフレディ
■最近、どう?
■ハロー,パーティ!
■NAGIの不思議日記から


麻子ちゃんを知ってもう10年くらいになります。当時まだ小学生で、お父さんについて講演会などに来ていました。落ち着いていて、うちの息子と同い年なのに比べ物にならないくらい「大人」という印象でした。
その彼女が高校卒業後、「農業研修生」として大分県にある自然農法場に入ることになりました。学力的にも経済的にも恵まれているのに大学進学せずに農業への道を選んだことに合点がいかなくて「なぜ?」と尋ねました。
しごく自然な答えが返ってきました。
――「今したいことをするだけのことなんよ」。――おばさんは、参った!です。

大分に行って2ヶ月がたったころ、麻ちゃんが手紙をくれました。
「えと・おーるつうしん」の原稿に、と「日記」を送ってくれたのです。
それがこの「あさがお新聞」です。ここでも私は1本とられました「私は今『流す』ということを学んでいるのだと思う」という一節に。
実はその手紙が届いた日、ちょうど私も職場で理不尽な相手(と私は思っている)に真正面から向かうことがあって、カッカしていたのでした。
どうしても「真正面勝負」をしてしまう私にとって、「『流す』ということの修行」ということばは新鮮なものでした。
その瞬間、18歳の彼女は確かに年齢を越えて私の前にいたのです。
これからきっと「あさがお新聞」も楽しみのひとつになると思います。



あさがお新聞 Vol.1      by U.A


私がなずな農園に来てから1ヶ月が経ちました。なずな農園とは、赤峰勝人さんの循環農法でしている畑や田んぼです。私は赤峰さんに弟子入りして、毎日を畑の中で過ごしています。
毎日何をしているかというと、畑の草取り、鶏のえさやり、苗の定植、たけのこを大がまでゆがく・・・などなど、毎日違うのですが、1日がとっても忙しいです。とにかく、300人近くのお客さんにやさいを配送している農園なので、規模が大きいです。草取りだって1列するのに5時間くらいかかってしまいます。
心に残ったできごとを書きます。

先日、いろんな人から「1ヶ月たったけど、どうですか?」ときかれました。私は「毎日すごく忙しい。この前チンゲン菜の苗を畑に植えたばかりなのに,もう今はチンゲン菜を出荷してる。もう1ヶ月?ってかんじです。朝起きて、作業して、帰って、ご飯食べて、お風呂入って、寝る。そしたら、また朝が来て・・・」そんなようなことを話しました。そんな話をしているときに、兄弟子の人が「朝起きて、作業して、ご飯食べて、寝る。また朝起きてっていう日々はなんの意味もないようだけど、その毎日こそが、すごく意味のあることなんよ」と話してくれました。
今、私はなにも考えず、分からずに、そんな毎日の中で過ごしているけど、いつか、いつか、それが身になっていることが分かるかな?と思います。今起こっていること、していることとか、深く考えずに「楽しいな、幸せだなあ」っていうことを感じて生きたいです。

もう一つ、心に残ったことは、親方(赤峰さん)のお話です。毎週木曜日にスタッフや弟子みんなでミーティングをするのですが、そこで、兄弟子の一人が「自分を人と比べたり、人のものや農場の物を大切にしないのは、他人と自分を区別して、分けてしまっているからだと思う」と言いました。それで、親方が、人間は一人一人別の使命を持って生まれてくるけれど、心はみんな宇宙エネルギーとつながっていて、心はひとつなんだよ、というお話をしてくれました。『心はひとつ』それを感じながら生きてゆけたら、すばらしいだろうと思います。すごくじーんときたお話でした。



6月1日(水)
今日は、ごぼうの苗についていた根切り虫退治をしました。根のまわりを掘って探して殺すのですが、やっていると、気持ち悪くなり、頭痛と吐き気がして、考えることも悪いことばかりでした。200以上は殺したと思います。虫を殺すのは、やっぱり嫌です・・・。

今日で2ヶ月終わりました。最近は、作業よりも人間に対してつらいことが多いです。だけど、分かったことは「流す」ということを身に付けるために、こういう人がいるんだな、ということです。というのも、言うことがよく気に障る人がいるんですが、その人が言ったことに対して、いちいち傷ついたり、心にとどめてぐちゃぐちゃ考えたりするんではなくて、流してしまうのです。今まで、私は「なんでこの人、こんな言い方や態度するの!?」って、ずーっと心の中で思っていました。でも、「流す」ということを、意識しはじめると、少し楽になりました。なんでも「はいはい」ですませちゃえばいいと思っています。「気にしない!」今これを修行中です。



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