21 えと・おーるつうしん21号 [2002.03.15] ■上映会と鳥山敏子講演会
■固まってしまったA君…
■ふぞろい野菜村便り
■口先徒然草 6
■自分探しの履歴書?
■子連れで「教育」…
■不思議日記-4-
■ご案内


口先徒然草 6 「口先案内人」      by T.S

 「ツラツラと考えると、やはり丁寧さの積重ねが大事なんだろうな。丁寧に帳面をつける、自分の生活を丁寧に活きる。日々の一つ一つの小さな事柄を丁寧に扱うことから全てが始まり、結果として信用もつくし業績も良くなり、家族も笑顔になるように思える。

 以前にイエローハットの鍵山さんから掃除の話を聞いた事があるけど、彼の両親はとても貧乏で屋根から夜空の星が見える家に住んでいたそうな。それでも、こまめに掃除をするし、近所の人達に気も配っていてご両親ともとても丁寧な人だったらしい。
 その丁寧さが鍵山さんを育て、一部上場の会社を作り上げたのだと思う。両親の時代には花は開かなかったけど子供の時代に見事に花開いた感じだと思う。

 そう思うと人は24時間の時計の他に、もうひとつ100年時計を持って視野を広げて活きるのが良いのかも知れない。
 100年先は、自分は居ないし、子供達も居ないと思う。でも、そんな先まで見ることができるくらいのスタンスで活きる事が出来れば、地球規模で「100年間の物差し」を持って見ることが出来れば、今の一つ一つの丁寧な積み重ねも無駄にはならないようにも思えるし、そう信じる事が出来ると思う。
城内日記 3/2

 上記の話は城内が友人に向けて日々の出来事とか想いを適当にまとめて「城内的日記」と題して毎日送っているメールで、ほとんど1人孝現学バージョンです。
 内容の説明を入れると確定申告時期に入り多忙を極めている頃に、メチャメチャ乱雑な帳面とか、数字が「6」か「3」か「8」か「9」か読めない帳簿がお客様から届くので「せめて自分達の日々の成果の記録は丁寧に書き綴ってほしい」との内容を何日か続けて日記に書きました。
 その一日分がこの日記で、「丁寧さ」について書いたものです。

 そんな「能書き」をメールに書きプリントして読み返していると、家内はそれを横目に読み流しプリントされた紙を「ポィ !!」と放り捨てる感じで机の上に置く。
 そして、「フッ !!!」とか冷たく笑い捨て、ほとんど私を無視して向こうに行く。
 たまに機嫌が良いときは「何が丁寧ょ !!! 口先だけの善良人がっ !!!」って捨て台詞気味に私の書いたメール通信についてご批評をしてくれる。嬉しいものだ。

 以前にも書いたけど、もう10年前だったか中村天風が作った天風会に入り、毎日早朝に天風さんが作った章句とか箴言を読みながら気合いを入れていたら、家内が側に寄って来て「あなたは本当に口先だけは立派な事を言うけれど、これだけ話す事柄と日常で行われる私生活の一つ一つが鮮明に違う人も少ないョ。中村天風ならぬ口先だけ天風ょ」と言われ、それから「口先」と言う言葉を私のニックネームに使うようになる。

 仕事柄、銀行交渉とか業者取引、税務署交渉等々をしているので確かに口先だけの言い訳とか説得、説明は上手くなったと思う。事務所の職員も「よく小指ほどの事柄を、一面に咲くお花畑のように話を膨らまして感動的に説明が出来るものだ」と驚いている。
 上記の日記も、それに近いと言えばそうかもね。

 我家の出来の悪い子供達についても家内は嘆き悲しむけど、私が同年代だった子供の頃に比べればズットましなので、そんな子供の良い所(「笑顔が良い」とか「心根が優しい」とかを両手を広げて感動的に説明する)を言うと、家内は笑いながら「口先だけで、よくもまぁ我が子を誉めるものね。夢先案内人ならぬ口先案内人だょ。まったく」と言う。

 「口先案内人――むーふ、面白い言葉だなぁ。これを私のニックネームにしようか」などと思う。きっと彼女は軽蔑半分で言ったのだろうし、この言葉をニックネームに使うのは彼女にとって不本意だと思うが、善良な旦那は全てを善意にとらえ、堪えることなく迷走するのさっ。
 などと、口先家族の愚かな話でした。



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