20 えと・おーるつうしん20号 [2002.01.20] ■竹内敏晴講演会 1/2
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「賢治の楽校」開校にむけて        by H.M


 いよいよ5月5日・6日に鳥山敏子さんをお迎えして「賢治の楽校」を開校します。当日の日程等はまだ決めていません。今考えていることは、講演・授業・ワークショップ等です。

 私もこの3月で退職することにしました。あと2年ありますが、この2年は20年に値するように思うようになり、収入の道は断たれますが決心しました。これからは賢治の楽校の維持費や色々なことが、起こり、悩み苦しむことも多々あることでしょう。でも、またそこで気づくこともたくさんあるだろうと思っています。私の今の気持ちはワクワクとほんの少しの心配がありますと言うのが、本音です。

 思い起こせば色々な事が浮かんできます。夫の急死、その後一人息子が不登校になり、嘆き苦しんだものです。なぜ私がこんな苦しい目に遭わなければいけないのかと人生を恨んだこともありました今でもその当時を思うと、自然と涙がわいてきます。身体はきっちりと覚えているのですね。その息子も今年は二十歳になり、夫の七回忌を迎えます。
 思えば長くもあり、短くも感じる歳月でした。

 でも息子の不登校で鳥山敏子さんに出会う事ができ、今まで自分が正しいと思っていたことがどんなに間違っていたかを知ることができました。価値観や人生観が大きく変化しました。
 そのためには、ワークショップを何度も受け、時には東京に行き親子ワークも受けました。(息子はあんなしんどいものはもう受けないと言っていますが) まだまだ分からない自分ですが、苦しんで苦しんでその中から見えてきたものがあるように思えます。きっと苦しむことは一歩前に進むために必要な事なのでしょう。

 今、私のところに来てくれている人は、若者でイギリスのシュタイナー学校に3年間学びに行こうとしている人・また、わが子を今の学校に行かせたくないと悩んでいる親・親の期待に添うために大学に行き、拒食症になった人・息子がリンチで殺された人・自然農がしたくて脱サラした人達、とさまざまです。
 ヤングママからは「なぜ前原さんのところにいつもいっているのだろう…シュタイナー・川口さんの自然農・鳥山さん・私の知りたいことが学べるから。無理せず自分自身でいられるから。気持ちがのびやかになれるから。みんなに会えるから。」といった年賀をもらいました。
 きっとこの人たちが本当に子どもにとって必要な教育・学校をつくりだす人たちだと確信しています。それは、どこかの模倣ではなくて、日本の伝統を生かしながら、独自のシュタイナー教育を生み出してくれるだろうと考えています。そのためには、私が大人として、自分にできることを楽しみながら、やりつづけておこうと思っています。

 それは、明治27年に建てた古家を再生し、いろりに五右衛門風呂・薪でご飯を炊く。精米を自分ですることもできます。石臼で黄な粉・そば粉・小麦粉をひき、本物を味合うこともできます。そうしてできた物は本当においしいのです。また、3月末には綿の種を蒔き、冬の間に糸繰りや機織などもします。また、今年は木臼にもみ擦り機を作ってみようと考えています。

 こうした事が、「生きる力」になるのだと改めて確信しました。それは鳥山敏子著「生きるちからを体で学ぶ」(transview 1800円)を読むことにより気づきました。ぜひ皆さんも読んで見て下さい。

 スタッフになって下さる方も心からお待ちしています。
また、ピアノを弾いて下さる方。オープニングの林光さん作曲・谷川俊太郎さん作詞の曲です。

 たくさんの方からのご連絡をお待ちしています。



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