42 えと・おーるつうしん42号 [2005.09.30] ■竹内敏晴レッスン
■最近のいろんなこと17
■あさがお新聞2
■岡山映画祭2005
■ある学習塾の日誌
■せっかくガンに…
■げんきだより No.47より


ある学習塾の日誌        by M.Y

● 「わからない」を連発のTさん(小3)

今日がはじめての掛け算筆算(2桁×2桁)への挑戦だった。
ヒントを示したら、ちゃんとできている。
でも、「わからない」と言う。
また、ヒントを出したら、ちゃんとできている。
「もう、ひとりでできるでしょ」。
でも、少しパターンが変わると「わからない」と聞きに来る。
「もう、できてるじゃん。不安だったら、答えを見て確かめてごらん」と言うと、
「あっ、できてた」。
「ほら、もうだいじょうぶ」と言うと、「まだ、わからない」。
そうか、Tさんは100%「できる」と確信するまでは、「わからない」なんだ。
そして、Tさんは「算数、好きになった」と言って帰っていった。
へえ、あんなに熱心にやってたけど、かつてはきらいだったんだ、とびっくり。

● 新しいことをはじめるたびに「わからん」と手をつけようとしないYさん(小1)

「学校の足し算ができなくて」とお母さん。
今日は、「足して10になる数」の問題をやっていた。
最初は、「わからない」と言っていたYさんだが、「答えを写すだけなら」ということで、同じプリントを7回繰り返して答えを写していた。
そして、以前、途中で投げ出した問題を見せて、「これ、やってみよっか」と言うと、すかさず「わからん」。
「全部できなくてもいいから、わかるところだけやってみて」と言うと、10問中8問できていた。
これには正直驚いた。それまで、答えを写すことしかやっていなかったから。
見やすいように10の補数の表をつくってやってもらったから、多少は視覚的イメージができてきたのだろうか。
その次の10問は全問正解。思わず「すごい、Yさん。もうできるね」と言った。
気をよくしたのか、自分から「これ、宿題に持って帰るわ」と言っていた。
すぐに「わからん」とできないことを遠ざけようとしてきたYさんだけど、少し自信をつけたかな・・・?

● Kさん(小5)がいつになく真剣に問題を解いていた

そういえば、今日の学習をはじめるとき、なにも言わずスムーズだった。
こんなことはいまだかつてなかったことだ。いつもは、やり始めるのに「ああでもない、こうでもない」「めんどうくさい」と20分、30分かかるのはざらなのに。

・先週のこと---------------
 その日になにをやるのかを相談しているとき、「簡単なのがいい。掛け算、いや、足し算。用事があるからはやく帰らなきゃいけないし・・・」なんて言うので、「そんないきあたりばったりでやっててもしようがないでしょ。ここで、どんな力をつけたいの? 早く帰りたいんだったら、自分にとってむずかしいところを少しでもいいから集中してやったら?」と真剣に話してみた。
 「わかった。そうする」と言って、二桁の割り算を50問やって帰った。
  そして、今週、私がなにも言わなくても、割り算の続きをもくもくとやっている。一気に自分で決めた問題数をやりとげた。う〜ん、こんなKさん、みたことない。ちょっと感動!


● 引き算の筆算を学習中のAさん(小3)の話。

Aさんは、ちょっとわからない問題に出くわすと、かんしゃくを起こすことがある。ひどいときには、完全に学習がストップしてしまう。最近は、むずかしくなって宿題をやる枚数が減っていた。
そんなAさん、今日は三桁の引き算をはじめてやる日。いつもはいやがるので、問題を解くときには離れているのだが、今日は目の前に座って見ていた。
最初は、順調だったAさんも、繰り下がりが出てくると、とまどいはじめた。
二桁の引き算を思い出したりして、ふたたびやりはじめる。
しばらく順調。
繰り下がりの場所が変わると、「ああ、わからん」と投げ出しそうになる。
すかさず「はい、もう一度」といっしょにやっていくと落ち着いてくる。
このタイミングがいいみたいだ。
繰り下がりが二つになると、「もう無理だ!」とかんしゃくを起こしそうになる。
すかさず、いっしょにやる。
そうやって、最後までやりとげることができた。
「おし、やったあ!」とガッツポーズするAさんは、すごくすがすがしそうだった。
家で復習したら、きっと来週はついていなくてもすいすいいけるだろう



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