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えと・おーるつうしん42号
[2005.09.30]
■竹内敏晴レッスン
■最近のいろんなこと17
■あさがお新聞2
■岡山映画祭2005
■ある学習塾の日誌
■せっかくガンに…
■げんきだより No.47より
*最近のいろんなこと17*
現在、実家の岡山県から兵庫県に移り住み、音楽療法士になるべく修行中。一人暮らしの家の周りには自然がいっぱい。食べ物も風景も、季節感にあふれています。日々の中で感じたいろんなことを書かせてもらっています。
退院おめでとう
今日、私が担当していたFさん(男性)が退院した。
お別れのとき、Fさんは「家に帰ってもお元気でね」という私に
今までにみたことのないくらい満面の笑みを見せてくれた。
やっぱり、大好きな家族のいる家が一番だな。
Fさんは脳卒中で言葉を全く話すことができなくなってしまい、
わたしは声を出す練習の中でFさんと関わらせてもらった。
Fさんと初めて関わったときのことを、今でも強烈に覚えている。
「あー」という声意外、言葉らしい言葉が出ないFさんの前で、
私はキーボードを弾きながら「おぼろ月夜」を歌った。
すると、突然Fさんの口が動き、歌詞らしい言葉を口ずさんだ。
・・・鳥肌が立った。
自分が声を出して歌えたことにFさん自身も驚いて
ポカーンとしていた。
あれから半年。Fさんはリハビリを一生懸命がんばった。
歌も最初の頃は全然歌えなくて悔し涙が出ることもあったけど、
回復するにつれてだんだんと自信を持って歌えるようになって
今は大好きな演歌を一人で歌えるようになった。
Fさん、退院おめでとう。
これからずっと誰かの助けを必要とする、
そして言いたいことが言えない、今までとはまったく違う人生。
大変なことばっかりだろうけど、
大好きな歌を歌いながら、がんばってね。
流れにのって
就職してから一年ちょっとが経ち、だいぶ気持ちに余裕が出てきたためか、
くすぶっていた好奇心が全開モード。
やりたいことが次から次へと出てくる。
思い出せば一年前の今頃は、慣れない土地での一人暮らしと始めたばかりの仕事で
胃は痛いし毎日泣いていた。
今のように平安な日が来るとは、その頃の私は夢にも思っていなかった。
何が変わったのかな。
一言では言えないけど、何かが変わったのは確か。
ただ、いつも感じていたのは何か大きな『流れ』。
私がすごく苦しかった時期、受け持ちの患者さんが
プレゼントしてくれた言葉がある。
“誰もが通る道だから あなたに通れぬわけがない”
以前は、こんなに苦しいのは自分だけ、と思っていたこともあったなぁ。
でも、みんなそれぞれに大変なことや苦しい時期が
あるんだということがわかってきた。
自分のだめなところを見ていたらキリがないけど、そこを見つめるより、
今自分にどれだけたくさんのものが与えられているのかに気付きたい。
そして、いつも大きな『流れ』を感じながら、
自分の感覚に正直に、ゆるゆると流れていきたいな。
HP :
http://blog.goo.ne.jp/protean_yukon
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