40 えと・おーるつうしん40号 [2005.05.30] ■ふぞろい野菜村便り
■最近のいろんなこと15
■森で見つけたもの
■口先徒然草25
■旅物語 らくだに乗って
■「おかあさんはいつも...
■こんちゃんのこの世的...


*最近のいろんなこと15*
日々のひとしずく   by.S.T

しあわせ  4.13

今日は職場で「お花見会」という行事があり、トロンボーンを吹く警察の巡査部長が来た。私はその方を見た瞬間、その風貌に思わず見入ってしまった。引き締まった口元、まっすぐなまなざし、あごを引いてピンと伸びた背筋・・・。なんて、警察官っぽい人なんだ!(そのうえ男前でした)
 こんな雰囲気の人、私の職場にはいないような気がする。この“警察官”のオーラというのか、雰囲気は独特だった。なんというか、真面目というか、律儀というか、そんな雰囲気が貫禄と一緒にその姿からにじみ出ていた。学校の先生なんかも、ベテラン教師になると特有の雰囲気が出てきて、すぐわかる気がする。そんな雰囲気の人がその職に就くのか、その職に就くからそんな雰囲気になるのか。どっちにしろ、きっと職業というのは、自分に多大な影響を与えるものなんだろうな。私からは、どんな雰囲気がにじみ出ているんだろう・・・その前ににじみ出てるかナ。

 巡査部長は面白い話で時々会場を沸かせながら、トロンボーンでいろんな歌を吹いていた。トロンボーンて、音色がホワーっとやさしくて、なんだか彼のデリケートな部分を見ている気がした。最後に、彼は私達観衆に向かって 「みなさん、しあわせを感じていますか」 と問いかけをした。
「きれいな花を見たとき、人に触れたとき、おいしいものを味わったとき・・・私達は、5感でしあわせを感じられるんですよね。僕はここでトロンボーンを吹いて、みなさんに歌ってもらって、今日とてもしあわせを感じています。」と言って、「ここに幸あり」を演奏した。
そのやさしいメロディーを聴きながら、仕事中だということを忘れて、涙が出てきた。
「しあわせ」こんなに大事な言葉について、そういえば最近誰とも共有してなかった気がする。あまりにも、当たり前すぎて。この言葉を投げかけられて、その場のみんなが幸せについて考えているのを感じたとき、みんなと自分のことが愛しいと思った。
その後、私達職員数人もステージに上がり、巡査部長と合奏させてもらった。
ステージ終了後、彼のところにお礼を言いに行くと、彼はやわらかい笑顔で私に言った。
「警察官のイメージ、変わったかな。もっと親しみを感じて欲しいんですよ」
 そういえば、警察官って少し怖いイメージがあったかも。私の警察官へのイメージも、少し変わった一日でした。もちろん、いいほうにね。

そういえばピアノも弾いてます  4.20

去年の暮れから、毎日しているピアノの練習。私とピアノとは、なんだか腐れ縁のような関係で、小学校1年生の時から断続的に付き合いが続いている。
 小さい頃は、練習することがいやでいやで、でもなぜかずっと続けていた。ピアノを習うことを何回かやめたことがあったけど、
でもやっぱりピアノが好きだとそのつど練習を再開した。そして、なぜか(!)音大に行こうと思い立ち、音大生になった。
 でも、音大生になってもピアノの練習はサボりがち・・・。そして、音楽療法士となった今、自分のピアノの技術のなさに、コンプレックスを抱いている自分がいた。ピアノの上手い人なら、周りにいくらでもいる。私はどうして、ピアノの練習をしてこなかったんだろう・・・。
 自分の音楽性に限界を感じていた去年の暮れ、ある人が何の気なしに私に言った。
「ピアノ習えばいーじゃん」
 その一言がきっかけで、私は今、週に一回ピアノを習いに行っている。まさか、就職してからピアノを習うことになるとは思わなかった。でも、必要性を自分自身が感じている分、今までの中で一番真面目に練習しているのかもしれない。思えば、今まで私は「どうせできない」と自分で自分の限界を作ってしまっていたのだ。時々、父さんが口癖のように言っていた言葉を思い出す。
「はじめようと思って、遅いことはない」
 まだまだ下手だけど、それとは関係なしに、練習をしているという事実に私は救われている。

 私には合わないと思っていた時期もあったけど、やっぱりピアノは大好きだ。そして何より、練習曲でだって、音楽ってとっても素敵なのだ。

好き  5.15

「好き」この言葉が好き。人がこの言葉を使うときの表情も好き。
シンプルで、とっても前向きな言葉。
 昨日は鳥取にアフリカンダンスのクラスを受けに行ってたんだけど、そこで会った小学校1年生の女の子が、私を見るなり近寄ってきて
「私、このお姉ちゃんのこと好き。ね、一緒にいようよ」
と手を握ってきたので、びっくりした。そして、隣同士に座ってちょっとの時間を彼女と過ごした。一緒に手遊びしたり、私にもたれかかって鼻歌を歌ったりしていた。

なんのためらいもなく、相手の反応を伺うこともなく、人に好きと伝えることができて、一緒にいたいと言えることができるって、すごいなぁ。私もそういうふうに在れたらいいな。

緑の五月  5.15

大家さんが、紫蘭(しらん)というむらさき色をしたかわいらしい花を持ってきてくれた。
「いい季節になったねぇ・・・。山の緑がプリップリッとしとるね。」
と、大家さんは嬉しそうにニコニコして私に言った。

最近木々から新芽が出てきて、山が深い緑色からきみどり色に変わった。
いつも行く野菜の直売所に行くと、並んでいる野菜がほうれん草や小松菜などの菜っ葉類から絹さややインゲンなど、少し色の淡い、地上から離れたところにできる野菜へと変わっていた。
ほんとに、いい季節になった。





目次へ

Since 2001.11.19, renewal 2006.1.28 無断転載禁止