■ 欠けてることの豊かさ
5月18日(日)、岡山言友会主催の"吃音"を考える会に参加しました。講師は伊藤伸ニさん(日本吃音臨床研究会代表)でした。
伊藤さんはお話の途中で何度か参加者全員が自分の考えや思いを言う機会を作られていました。その中で、「どもる人が充実した人生を生きるためにできることって何だろう?」と問いかけられました。「欠けてることの豊かさ・・」と言われた人がいました。
その言葉を受けて伊藤さんは2つの例をあげられました。足が不自由な すまけいという役者さんが井上ひさしさんの『人間失格』の舞台でよろよろした足取りがリアルにいき「欠点万歳」と言ったこと、そして木の実ナナさんが吃音で台詞が言えなかったために2日間撮影が中断したとき、山田洋次監督は「ナナちゃん欠点があってよかったじゃない、欠点がない人はおもしろくもないよ」といった話。
伊藤さんが途中で詩吟や講談を始められた場面もあったのですが、それも吃音を治す訓練で始められ、満員電車や駅で大きな声を出してやることもあったとか、「吃音を治すことを否定して」いる伊藤さんの嫌な思い出なのかと思ったら、詩吟も講談も楽しそうでした。きっと今は好きなことなんだろうな、と思いました。
■ 「吃音を考える集い」とは、「生きるということを考える集い」でした
これは参加者の人の感想です。また、取材をされていた新聞記者さんも、「仕事で来たけれど、やっぱり自分に向き合っていました。個性を通じて自分に向き合うことができる、そしてそのことで人生が豊かになっていくんだなと思いました」と話されました。
また、「困った時にどうしようということを一緒に考えたり、情報を共有していくことは大切。そしてやってみたいなということが見つかったらあきらめない。ひとりじゃくじけるから助けてくれる人と一緒にやっていく」と感想を言われた人がいました。
■ やりたいことが浮かんでくる
先日「リレーインタビュー・ゲーム」をしました。6人でリレー形式でインタビューをしていき、最後にみんなの分を(自分の分も)一言でまとめるというのをして遊んだのですが、私の話をまとめてくれたものの中から、3つ紹介します。
「待つ人」
「会えたらいいな」「近づきたいな」これが私のエネルギー。決めて待つ。不安はあるけれど、待つのが最大の楽しみなんです。 (まとめ:松田さん)
「『問い』が浮かべばへこたれない」
田口ランディーが好きなのは、へこたれない表現をするからです。感情の苦しさにへこたれないんです。つらいことがあったら、「どうして?どんなとき?どうした?」と見ていく習慣が身についているんです。 (まとめ:横田さん)
「折り梅」の上映会をやり、次はべてるの向谷地さんを呼んでのイベントを考えている。私は欲張りなんだろうか。会いたい人、やりたいことが次々出てくる。最初はなぜこんな自分が困ることをするんだろうかと思ったけれど、やりたいことはやりたいからしょうがない。それを実現するには困る自分を越えなくては。神様はその人にできることしか与えないというけれど、今は困ることより次々に楽しみたいから次々にやりたいことが出てくると思えるようになった。で、困ることはどうするのか、その解決方法がわかってきた。それは即処理。しなければならないと思ったことは後回しにしないですぐ済ませる。それができて、楽にことを楽しめる自分になってきたようだ。
(まとめ:常包さん)
■ "べてる&セルフラーニング"
9月14日に「べてる&セルフラーニング」という企画で、医療ソーシャルワーカーの向谷地生良氏とセルフラーニング研究所の平井雷太氏の対談を企画します。
この企画をやってみたいと思ったのは、平井氏の「教えない教育」「傷は気づきだ」「できないことを楽しむ」「欠けてることの豊かさ」などの言葉と、べてるの「悩む力」「苦労を取り戻そう」「幸せは真下にある」「安心してさぼれる会社」「そのままでいい」「降りていく生き方」という言葉に安心を感じ、生きることへの焦りが薄れていった感覚をリアルに体験したいと感じたからです。
本を読んだりビデオを見たりはひとりでもできることですが、会場に集まって下さる方と、またこれからスタートする準備ミーティングでどんな場が展開していくのか、いろんなことを体験したいと思いました。
『折り梅』のとき、スタッフの人が「何で『折り梅』なの?」と聞いてくれました。最初は「やりたいから」という感覚的なものだけで、それを言葉にすることもできなくて、でも、ミーティングで話していると、伝えたいことがあったことに気づいていきました。それは「ひとりじゃないよ」と「できないことを楽しむ」でした。そして終ってみれば、やってきたことすべてが私のやりたかったことになっていました。
今回も、「お2人の対談で伝えたいことは何なのか」「知りたいことは何なのか」「どうやったらわかりやすくなるか、見えやすくなるか」・・。進みながらできていくミーティング、ミーティングからできていく当日、そんな企画になっていったらいいなと思っています。
岡山では"べてるのお祭り"というのが行われていて、4年前にも倉敷で開かれたそうです。NAGIさんはその時スタッフをされていて、実行委員長だった長谷敏明さんを紹介して下さいました。5月25日には長谷さんのお話を伺う会を企画し、この会を準備ミーティングのスタートにしようと思っています。その後は私の近所の福浜公民館などで準備会をしていく予定です。
一緒に準備して下さる方がおられましたらご連絡下さい。また、準備のプロセスも報告書にして発行します。読んでくださる方も、ご連絡ください。よろしくお願いします。
第1回準備会・・・長谷さんのお話
2003年 5月25日(日)14:00〜16:30 西ふれあいセンター 和室
第2回準備会・・・べてるのビデオを観て、話しましょう
2003年 6月 7日(土) 18:00〜20:30 福浜公民館(岡山市福富中1-16-22)
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