今年の春に小学三年生の長男坊が青虫を探し始める。
学校の「青虫の研究」に使うらしくて熱心に探していて、探しているが我家には適当なのが居ない。「青虫が居ないなー。」と言いながら彼は探し、そのうちに家内も一緒になって「青虫―。青虫―。」と探しまわる。
我家の庭は無農薬であり、虫達が多いし、猫も多く生息している。薮蚊も多いし、ナメクジも多い。 まっ、「何でも有りの城内菜園」の雰囲気ではあるのだが、いざ「青虫」を探すとなると、意外と居ないものである。
世の中の仕組みとは、そんなもんだ。
青虫と言っても、いろいろな青虫がある。
それはモンシロ蝶の幼虫も「青虫」だし、アゲハ蝶の幼虫も「青虫」だし、蛾の幼虫も「青虫」だし、根切り虫だって「青虫」に見えるし、「夜盗虫」も青虫だ。
赤信号を無視して道路交通法違反で警察に捕まれば「赤虫」…、じゃなくて「赤無視」だ。(これは余計だけど…。ゴメンナサイ)
青虫と言っても、いささか多ゆうござんす。
つまり、蝶も蛾もその辺の芋虫の類も、尺取虫も、青み掛った虫達は総称して「青虫」になってしまう。
だからと言って、小学生の観察レポートで「青虫が蝶になるまで。」で観察日記を書き出し、気が付くと気持ちの悪い大きな蛾になったり、尺取虫のまま大きくなってしまい、一向に蛹にもならず、蝶にもならないと、蝶を対象とした研究レポートが出来ず、困ってしまうではないか。 ただレポートとしては、それはそれで面白いのではあるが…。
随分前の話しで、家内が田舎の親戚から食用の葉っぱをもらってきて、その葉っぱに「青虫」がくっついていた。 家内は「まー、青虫がいる。」とか言って、その葉っぱごと箱に入れて飼育が始まります。 でも、この「青虫」は昼間はあまり動かず、夜になると活動を始め、そして、餌を与えようとすると攻撃的な態度で威嚇をします。
ふーむ、どうもおかしいなー, と家内も不思議に思い、田舎の叔母サンに訊くと…
「そりゃ、間違いなく「夜盗虫」だね、都会の子供だね―!!! 夜盗虫を大事に育てるなんて !!!」と一笑に付されます。
そんな経験もあり、青虫を飼うのは用心深くなってしまう。
で、長男坊が探してきたのが我家のミカンの木にいた幼虫でした。 「これ、本当にアゲハ蝶の幼虫なの―、アゲハの幼虫ってもっと大きくなると思うけどナー。」と城内父さんは不審に思うのだが…。
「我家のミカンの木にも居たし、創育舎の庭の柑橘系の木にも沢山沢山居たので、きっと、アゲハ蝶の青虫でしょう。」と言うのだ。
「創育舎の庭にも居たから青虫」ねぇー、「まぁ、教育に携わる人達の所に居る青虫だから、やっぱ青虫かなー。」でもなー、「ホントかな―。」「怪しいナー。」 なんとなくではあるが、説得力の乏しい青虫だけど、まぁ、それはそれで「よいことにしよう。」と思う。
さてさて、我家の虫カゴには青虫が育ち始めた。 大食漢のハラペコ青虫は、これからセッセと食べて大きくなることでしょう。
そして、育った青虫がどんな成虫になるか、楽しみなところであります。
さてさて、創育舎でみつけた青虫の正体は如何に。
2ヶ月後まで、暫しお待ちあれ。
*夜盗虫(よとうむし)
昼間は土の中に居て、夜になると出て来て葉っぱを切り裂くように食べる害虫。
見つけて取ろうとすると、すごく攻撃的でして少し危険な「青虫」です。
*創育舎(そういくしゃ)
らくだ教材を使った塾
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