22 えと・おーるつうしん22号 [2002.05.25] ■上映会と鳥山敏子講演会
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口先徒然草 7 「ナメクジ奮戦記」      by T.S

 新緑の季節を迎え山々は輝き、新たな生命の躍動も始まり、新たな季節の到来を肌で感じる頃となりました。 当然ながら我家の家庭菜園でも、種蒔から始まる新たな生命の芽吹きが始まり、可愛らしい新芽が次々に産れます。
 暖かな春風が新たな芽吹きを促し、優しい大地から顔を出す頃に又別の生命も産れる… そう、暖かな春風は、あの「憎きナメクジ達」の目覚めを促し、卵から小さな小さなナメクジ達が産れ出て来て、一目散に我家の可愛い可愛い新芽を食べに来ます。
 そんなナメクジの食べたであろう半分程度になった可哀想な新芽を見ながら、今年も怒りも新たに対ナメクジ戦が始まるのです。

 昨年は対ナメクジ戦の主力はビールでした。何でもビールを適当な容器に入れて夕方になってプランターとか菜園の間に置くと、翌日には多くのナメクジ達がビールを入れた容器の中に入って、そのまま溺れてしまい、ナメクジはほとんど居なくなる。
 そんな話しを多数聴きまして、城内は実行に移します。
 ほとんど酒を飲まない城内はビールなど買ったことも無く、値段も知りませんでした。
 「まっ、ジュースが100円だからビールもそんなものだろう。」と安易に考えて百円玉を握り締めて近所のコンビニ行ってビックリ、何とビールは130円前後もしていて買えなかった。
 「ひぇーー、恥かしいょー」と思いながら何も買わず、お金を用意してもう1回コンビニに行く。ビールって発泡酒と普通のビールがあって、ナメクジ達に呑ませるビールなら安い発泡酒で充分と思い、アサヒの発泡酒を二本買って早々に容器に入れて菜園に置きます。
 一度仕掛けると、容器の様子が気になりだす。
 「かかってるかなぁー」などと言いながら30分おきに仕掛けを見に出るがかかってない。「そんなに早くかかる訳もないかぁー」と思い休むが…気になって眠れない…。
 翌日、早朝5時頃に起き出してビールを入れた容器を見てみる。
 …なっ、なんと一つもナメクジがかかってない !!! そう、一つも !!!
 何たるチア、かんたるチア、とか言いながら失望感に打ちひしがれながら朝食をとる。
 「あぁ、せっかくビールを買ったのに」と呟いてると家内が「そりゃ発泡酒でケチったからょ、純粋なビールじやないとね。」と言う。
 言われてみれば確かにそうで、早々に高価な恵比寿ビールを買って再び仕掛ける、そして翌朝…なんと雨が降ってた…。
 当然ながらビールを入れた容器はことごとく水浸しで、見るも無残。こんな事なら、私が呑んどきゃ良かった。

 そんな悲しい想い出があり、今年は気合いを入れていた。
 早くからナメクジ退治の薬を散布し、ビールも1週間分くらい買い込んで、せっせとナメクジ対策に乗り出していたが…。何故だか新芽が出ると数日後には全部なくなってしまう。
 「おかしいなぁ。」と思って気にしてたら、何と四歳の次女が新芽が出るとスコップを持って土を描けていた。しかも、ニコニコ笑いながらしゃがみ込んで。
 どうも彼女は雑草が生えているのと思い込み、「お父さんの為に」と思って、セッセと土を描けていれていたのです。そんな次女のいじらしい悪戯を怒るわけにもいかず、新芽の説明をして、なんとか新芽を守ります。
 でも、翌日には土がかかっていて「あれっ、おかしいなぁ」と思ってたら、今度は近所の猫がプランターで糞をして新芽を掘り返していたのでした。ほとんど日光の暴力猿が人間に迷惑をかけ、被害にあった人達の怒りと同じモードに入ります。「この悪猫がっ」と腹がたつ。でも、身軽で気ままな猫達には城内父さんは手が出ません。
 「ふーー、ナメクジの次ぎは次女の悪戯で、その次は猫かぁ。」
 「どこまで続く泥濘ぞ」などと呟きながら、それでもセッセと菜園作業に明け暮れる日々です。

 皆さん、どうか可哀想な城内に、有効なナメクジ対策、子供の悪戯対策、そして意地悪猫対策を教えて下さい。待ってます。



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