連休の真っ只中ということもあってか、スタッフも含めて60人ほどの会でした。
「みんなが孫悟空」は見るたびに迫るものがあります。劇の練習の中で、突きつけられるものから逃げずに必死で向かっていく子どもたちの姿。
「いとおしい」――思わず熱いものが胸に込み上げてきました。ふと見ると、鳥山さんがそっと涙をぬぐっておられます。鳥山さんと子どもたちとの深いきずな。そして旅立ち。別れ。
あとのお話で、鳥山さんは「しょうへいともイトちゃんとも、もう会うことはない。でも、みんな(私の魂の)すぐそばに居る」と静かに言われました。人と人とが出会うということってこういうことなんだと、今更ながらに強く感じました。
以前この映画を見た人が「もう1回見てみたい」と言っていた気持ちがわかりました。そして、会場の中からも、その気持ちがわきあがったようでした。
!緊急お知らせ!
今回参加された方が、ぜひもう1度、こういう機会を持ちたいと希望され、今、さんかく岡山の「岡山市男女共同参画社会推進週間事業」として、6月26日(水)の午後に、再び、「みんなが孫悟空」上映と鳥山敏子講演会を開催することになりました。ウィークデイですが、ぜひ、ご都合をつけてご参加ください。
皆さんの感想から
映画はすごい迫力でした。鳥山さんの話は淡々としていて自然体で、聞きやすかったです。
今回、鳥山さんにお会いしてみたいと思ったのは、やはり「離婚」にピリオドを打つためだったような気がします。自分がしてきたことや、感じたり考えたりしてきたことを、感情を交えずに、事実としてうけいれるために、私にとっては必要な作業だったように思います。
そしてとりあえず、ピリオドは打たれたようです。 【40代女性(スタッフ)】
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「みんなが孫悟空」、 竹内レッスンと鳥山さんのワークを融合したような・・・、本来の自分に気づき、自分に正直に生きていく、本音でぶつかり、本音で言い合うことなしに創られていく人間の集合体なんてナンセンスであるということを一生懸命子ども達に伝えようとしている鳥山さんの姿は素敵でした。こんな先生が日本のどこかにまだいるんだろうか、と思いながら、私の周囲の教員たちのことが頭に浮かびました。 【40代男性(スタッフ)】
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鳥山さんの講演会は、初めてでどういう人なんだろう?って楽しみだった。こわい人って聞いていたけど優しそうな人だなーって第一印象だったけど、質問に答える鳥山さんの目は、鋭くて真剣で、なんかすべてを見とおしてるような・・・それであなたはどうなの?って言われるようでこわい気がした。 【30代女性(スタッフ)】
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劇作りを通してこどもたちの中で起こる様々な場面を鳥山さんの視点でとらえていくあり様が実にリアルで、その場にいるような緊張感もあった。
あの映画に出てくるこどもたちの多くが、親や家族が問題を抱えていたという背景を上映のあと鳥山さんがフォローしてくださり、そのことで子どもが発していたことばがもっと現実味を帯びたように思えた。たとえばウジウジしている相手に対して「まだ不満を抱えているから、そんな顔をしてるんだ。言いたいことを言ったら、スカッとするんだよ。それが人間ってもんなんだよ」と、小6の子が堂々と言う場面があったが、この意味がお互いにわかるというのもすごい。
いやだと思ったら「いやだよ」「できないよ」とはっきり言えばいいのだと、鳥山さん自身が子どもに体当りでぶつかるシーンもあったが、みんなが見ているあの場でそれを要求されることが私だったらつらいかもしれない。鳥山さんのやり方は「本気でぶつからないと何もうまれない」「逃げるんじゃない」と正面から今の自分をどうにか変えろといわれているような気がしてしまう。
「北風と太陽」の北風的対応。信頼感が築かれている関係ならまだいいと思うが、この「本気」だけが押し付けられるときついなと感じた。 【30代女性(スタッフ)】
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鳥山先生の講演会に出席してみて、思うところをお話ししてみたいと思います。
先ず、先生とお会いしてお話も少しさせていただいての印象はずいぶん「すっきりとした人」だということです。人間、社会に出て何年か働いてくると、働いている所、住んでいる所で色々な人間関係が生まれてきます。そういう人間力学の仲で、自己を通して生きていくということはなかなか難しいものがあります。 鳥山先生の印象は、そういう社会の約束事から「解脱」した生き方ができている人のような気がします。「自分の言いたいことを言い、したいことをする」このきわめてシンプルな生き方ができている、そういう感じがした人でした。
私なども前勤めていた所を辞める要因の一つは「自己を出すことへの息苦しさ」があったことは事実です。「もっと自分に素直に生きたい」という思いがあって第二の人生に入ったわけですが、それはそれで色々とあって、なかなか「すっきりとした生き方ができていないなあ」という思いがしていた矢先の出会いでしたので、あらためて「自分を出して生きる」ということについて考える良い機会になりました。
先日、弟と話をしていて「刺されて死ぬぐらいの覚悟で自分を出してみろ。それができないのなら話すのを止めろ」と言われてしまいました。「でも、刺されるのっていたそうだしなあ」と、つい思ってしまうのが現状です。 【30代男性(スタッフ)】
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身近な人へのコミュニケーションでさえ、のどでつかえてなかなか言えないもどかしさを感じます。きっと、本当の醜い自分がわかるのがこわいのかもしれません。少しずつではありますが、人のせいにしないで、自分を出していこうと思います。 【40代女性】
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今年の春から中学校の養護教諭をしています。中が悪い子どもたちがケンカをしているとき、「あまりきつく言うな」とか「あまりケンカをしないで」と言っていた私は、あの、子どもたちのケンカのシーンを見てはっとさせられました。子どもたちの気持ちを押し殺していたのは、私(大人)だったんだなあと気づかされました。 【20代女性】
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