43
えと・おーるつうしん43号
[2005.11.30]
■竹内敏晴レッスン
■最近のいろんなこと18
■あさがお新聞
3
■口先徒然草
■ある学習塾の日誌2
■せっかくガンに…
*最近のいろんなこと18*
現在、実家の岡山県から兵庫県に移り住み、音楽療法士になるべく修行中。一人暮らしの家の周りには自然がいっぱい。食べ物も風景も、季節感にあふれています。日々の中で感じたいろんなことを書かせてもらっています。
ありがとう
最近、めまぐるしい。仕事もプライベートも。
あれして、これして、その次は・・・と、いつも頭の中では数日後までのスケジュールがめぐっている。
忙しくしているのは他でもない自分だ、というのはわかっている。
でも、どれも削れない。削りたくない。欲張りな私。
そんな中、先週隣に住んでいたおばあちゃんが亡くなった。いろいろと近所とトラブルを起こす人だったけど、私を「お嬢や」とかわいがってくれていたおばあちゃんだ。
このことを、日々のめまぐるしさに埋もれてしまわないように、ここに書き留めておこうと思う。
先週、朝いつものように職場に向かおうと玄関を開けると、大家さんや近所の人が集まっていた。
「大変なことになったで。ばあちゃんが死んどる。」
それを聞いて、とても驚いた。次に、ドキッとした。
その前の日の晩、久しぶりにおばあちゃんに会いに行ったからだ。
おばあちゃんは酒好きで、その日も私にお酒を買ってくるよう頼んでいた。
お酒を持って、いつものようにドアをノックすると、「ちょっと待てや」となかなか出てこないおばあちゃんに、風邪をひいていたこともあって、私は少しいらいらしていた。
やっと出てきたおばあちゃんは、すでに酔っ払っていた。
「おばあちゃん、もう私帰るわ」
ひき止めようとするおばあちゃんに向かって言うと、おばあちゃんは、私をまっすぐ見て言った。
「ええか?はよええ男見つけて結婚するんだで。」
・・・それが、おばあちゃんの最後の言葉になってしまった。
おばあちゃんが亡くなった日も、いつものように仕事をした。いつものように笑ったり、人と話したりした。
でも、なんだか夢と現実の間をさまよっているようだった。
だって、昨日生きてたおばあちゃんが、今日は死んでる。
仕事から帰ると、おばあちゃんが生きていた昨日と同じように部屋のあかりがまだともっていた。
心に残ったのは、罪悪感だった。
私は、昨日おばあちゃんに対していらいらしていたことをとても後悔していた。
もっと、違う接し方が出来たんじゃないかな。昨日だけじゃなくて、今までいつも。
そんな気持ちで過ごした2日目の朝方、夢におばあちゃんが出てきた。
おばあちゃんは亡くなる前のような動けず苦しそうな様子はなく、とても晴れやかで綺麗な顔をしていた。
私はそのさわやかなおばあちゃんを見ていた。
そして・・・この言葉を言うことができた。
そうだ、私がおばあちゃんに伝えたかったのは、このことだった。
私がここに引っ越してきてから、「わしがお嬢を守ったる」とおかずを作ってくれたり、洗濯物を入れてくれたりした。戸締りが甘い私にいつも説教をしてくれた。
そんなおばあちゃんに心の底から、気持ちを込めて言った。
「ありがとう」
それを聞いたおばあちゃんは、何も言わずにこにこと微笑んでいた。
おばあちゃん、楽になって、綺麗になって、よかったね。
今まで、ありがとね。
冬じたく
最近、時々わけもなく寂しい気持ちになったり、
少し暗い気持ちになったりするのは、季節のせいかな。
今日はびっくりするくらい、食べた。
おなかがいっぱいになっても、全然満たされなくて不思議なくらい食べれた。
で、これってなんなんかなーて思うと、ふっと心に浮かんできた「寂しい」っていう言葉。
また、この状態も上昇していくのかな。
だから、あんまり心配しないでいいのかな。
今日はこたつとストーブを出した。
ストーブのタンクにポンプで灯油を入れる。
シューシュー・・・シューシュー・・・。
灯油がポンプを通る静かで単調な音の繰り返しが心地よかった。
そうだ、この寒い空気のしん、とした感じ。
夏には感じることのなかった、ぬくもりがあることの嬉しさ。
冬がやってくる。
季節の変わり目には、いつも新鮮な感動がある。
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