久しぶりに,ユーミン(松任谷由美)のCDを聴いていると,「やさしさに包まれたなら」という,かつて大ヒットした曲が流れてきた.
♪ 小さい頃は神様がいて
不思議に夢をかなえてくれた・・・
子どもの頃って,ユーミンの歌にあるようにきっと誰にでも「神様がいた」のではと思う.「神様」は,子どもの私に,大人には見えないすばらしいものを見せてくれたし,困ったときには助けてもくれた.
母に叱られてとっても悲しかったとき,裏の麦畑にもぐりこんでいた.みどりの麦の中にいると,鳥や虫が遊びにきてくれた.川に入ると,川の生き物が遊びにきてくれた.悲しみはいつの間にか薄れ,私はいつも「一人」ではないという気がしていた.
困ったこと,つらいことを解決する助けをしてくれたのは,大人達ではなく,「偶然」という形に姿を変えた「神様」だった.
小さい頃,私は誰に教えられたわけでもないのに「言霊」信仰を持っていた.また,道に小動物が死んでいるのを見たり,お地蔵様があったりすると手を合わせてでないと通れなかった.核家族で育って,両親は信心などなかったのに,ずっと「神様」がいたとしか思えない.
でもこの「神様」は,成長するにつれ,いつの間にか,いなくなった.
知識を獲得し,競争社会の中で生きていくうちに,私を助けるのは「見えない偉大な力」ではなく「私自身」だと自らの力を頼むようになった.
シュタイナーの人生周期7年説を思いだす. 人生では7年ごとに大きな節目となる出来事が起こりやすく,特に生まれて21までは,守護天使が肩の上の方にいて,見守ってくれている.それが,21歳のころ(丁度自立を果たす年頃だ)天使は離れていく――自分の人生を自分の力で歩んでごらん,というわけだ.そして,守護天使は次の21年の節目である42歳の頃再び降りてきて,自分らしく生きて来れた?あなたの人生,今のままでいいの?と問うらしい.そこで,人は再び自分の人生を問い直すチャンスを与えられる・・・.
私の場合も,40歳を過ぎて,神様は戻ってきた.尊大な自分を打ち砕く貴重な出来事とともに.
♪ やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ
|