23 えと・おーるつうしん23号 [2002.07.10] ■上映会と鳥山敏子講演会
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■口先徒然草 8
■女(ひと)かがやくとき
■自然農 in おかやま
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 Fさんと知り合ったのは、今から7年前くらいのことでしょうか。その当時の印象は「人の話をよく聞いてくれる人」というものでした。だから、ついどんどん話が進んでしまうのです。夫婦のこと、自分自身のこと、よく話しましたよねえ。そして、「男女の関係性講座」なんてのを、一緒に主催したこともありました。私の方がずっと年上なのに、彼女の方が大人で、私は結構甘えていました。

 フリーでゆったりとお仕事をされていたFさんに転機が訪れたのは、数年前のことです。就職、引越し、同居しているお姑さんの病気、次々にいろんなことが押し寄せました。大変だったと思いますが、賢明な彼女は一つひとつ誠実に対処していったのでしょう。最近、Eメールで「週間ひとりごと」を配信し始めました。日々の思いをつづった文章からは、変わらぬFさんの姿が浮かんできます。相変わらず、聞き上手で、ていねいに日々を送っているのですね。彼女は、ぱあっと光るのではなく、いつも静かに光り続けている人――なんだかつい傍に寄っていきたくなるような人なのです。
女かがやくとき 7
 私をつくる5つの私        by ふりぃーばーど


 数ヶ月前、NAGIさんから、「書かない?」って言ってもらったときには、今の私にはとても書けそうにない・・・ってお断りした。そのころは、とにかくすべてが混沌としていて、私に何が書けるんだろうって思ってたし、今のような開き直りもなかったから・・・。でも、数ヶ月たって、なんとなく、またいろんなことに対する受け入れ方が変わって来て・・・そうしたら、いいタイミングで、再度名木田さんから「そろそろどう?」っていうお声掛けをいただき、今回書かせていただくことになった。今の私に何が書けるのか・・・ってやっぱり思うけど、今回は、がんばって書かせていただこうと思う。多分「週刊ひとりごと」とはまた違って、ちょっと立ち止まって自分とその周りを見ることができるような気がしている。

さて、私の生活は、
  1. 中2の息子の母親
  2. 家の嫁
  3. ブライダルコーディネイター
  4. 一人の私
こんな感じの役割や自分の姿がある。

1. 中2の息子の母として

 本当に息子に対しては、手をかけてない。っていうか、こっちが世話になりっぱなし。息子がいなかったら、私は横田家では生きてゆけないって思うくらい・・・。

仕事が遅くなっても、土日祝日に仕事が入ってご飯を作れなくても、自分でチャーハンとかを作って食べてくれるし、昨年脳梗塞で倒れ、車椅子生活になってしまった姑とも、すごく上手に関わっているし、ちょっとした世話もよくしてくれている。私ができてない部分も、すごく上手にかかわりを持ってやっていると思う。
 「おかあさんができないから僕が・・・」なんていうそんな感じで動いてるんじゃないとは思うけど、なんか助けられる。
 そんな私が、母親としてやっていることって???ほとんどないような気がする。

 教育費を出すとか、携帯電話の電話料金を払うとか、買ってきてーって言われたものを買ってくるとか、弁当がいるときに作るとか・・・やっていることって、すごく当たり前のことばかりで、こんなんでいいのかって思うこともあるけど、今のところ、息子からのクレームもなく、なんだかんだからみあいなから過ごしている感じ。お勉強はそんなにできないし、あれこれ言い訳をして頑張りが足らなかったりすることに、時にはイラつくけれど、それは自分でいずれ気が付いて、何かやらずにはおれなくなるだろうから、それまではあまり何も言わずにいようと思っている。

2. 妻として

 これも、もう良妻ってことを考えることさえなくなるくらい、悪妻である。
 この夫だから私といてくれてるって感じなんだろうと思う。それくらい、最近の私は、妻としてなってないんだろうナーと思う。職場の友人の中では、ご主人にすごく気を使っていたりする人がいるけど、私はむしろ、夫は私の最高の理解者であり、私を高めてくれる人だと思っている。
 朝は、私の方が先に出ることが多いから、できない家事は夫に頼んで先に出るし、急がないことなら、ずっとほおりっぱなし・・・でも、何も言われない。夫は帰りが遅いから、食事の際にもご飯をついだりもせず自分でやってもらって、片づけまでセルフサービス・・・。こんなんでいいのかって思うけど、もうそれしかできないって感じ。姑のことだって、自分の母親だから当然と言っても、本当によく気をつけてて、あれこれ満たしてあげていると思う。本当にスゴイナーって尊敬する。反面、夫が優しければ優しいほど、自分の粗さやいいかげんさが目立ったりして、ちょっと落ち込む時もある・・・。

3. 嫁として

 これももう、失格でしょう。昔なら、もうゼッタイにだめな嫁だと思う。
 でも、今まだ許されてるのはたぶん家族みんなが、寛大だから。そして、私がいなくても、十分家の中のことは回ってゆくからだと思う。
 それ以外でとしたら・・・、姑が理解があるのかもしれない。数年前に就職するときも、勧めてくれたのは姑だったし、昨年倒れるまでは、ずっと仕事をやり続けてきた人だから、女が働くってことを理解してくれているのだと思う。

 昨年、姑が倒れたときには、引越しや子どもの卒業入学、そして、仕事と結構大変だった。でも、それ以上に姑は大変だったんだと思う。この間、友人から、「お母様は、相当落ち込まれたんでしょうね」って当時の事を聞かれたんだけど、多分その落ち込んだ本当に行き詰まった感じは、私には見せてないんだと思う。息子である夫や、娘である夫の妹には、本当の気持ちを見せてたんだろうと思う。こういう風なことで、結構落ち込んだり、なんで私は夫のようにやさしく接することができないんだろうって、悩んだりしたけど、やっと最近、開き直ってきた。
 「どうしようもないことはもうどうしようもない、しょうがない!!」って、あきらめることも学んだ。嫁は娘とは違っても当然、仕方ないんだから・・・ってこと。
 今、悩んでることも、今はやれないんだから仕方ない・・・そんなふうに思えるようになってきたら、すごく気楽になった。ある面すごくあつかましいんだけど、それは夫に任せて、私は、私がやれることをやることにした。
 傍から見たら、結構マイペースな嫁に見えてると思う。

4. ブライダルコーディネーターとして

 多分私が、今のように、息子に過干渉にならず、夫のマネージャーにもならず、家族の中でも、マイペースで過ごせるようになったことの一つに、この仕事に関わっているから・・・ということがある。婚礼のコーディネーターといえば、土日祝日は必ず出勤、そして不規則。だから、土日祝日に家族でどこかへということはほとんどなくなる。これがあったから、私はずいぶんとマイペースを続けさせてもらえたと思う。いわば、もう当てにされなくなったってこと・・・。

 やっと最近、この仕事のことを大好きだと思えてきたし、自分に向いているんじゃないかって思えてきた。いろんなお客様がいて、いろんな形を望まれて、当日が創られる。その関わりの中には、ご本人達、ご両家、各関係先・・・いろいろある。みんなが気持ちよく、それぞれの一日を楽しみ、そして、スタッフみんながそれぞれの力を気持ちよく発揮できるように場を作ってゆく・・・ここにはしんどさもあるけど、面白さがあるってこと・・・わかってきた。みんなが溶け合うようにハーモニーを奏でられたときに、ひとつの満足行く形に仕上がる・・・この面白さに惹かれてやっているって感じ。お客様との出会いがあり、ご両家親御さんとの出会いがあり、そして、婚礼を作ってゆく内外のスタッフがいて、本番では、ゲストとの出会いもあり・・・。
 仕事中なのに、いつも挙式本番では感動して泣いてしまう。
 もてなし・・・これができるようになると、多分、ものすごく心配りのできるステキな女性になっているんだろうなーって思う。この仕事は、今後もずっと続けてゆくつもり・・・。

5. 一人の私として

 私という私は・・・、何の役割もなかったら・・・、何者なんだろうって思う。
1〜4まで書いてきて、やっぱり周りの人たちあっての私ってこと、実感した。
 今年1月から「週刊ひとりごと」という日々書き溜めたメールを、友人や仕事関係者、そして、ご縁のあったお客様に、毎週火曜日発信で送らせてもらっているんだけど、
 そのおかげで、自分の気持ちが沈んでるときも、いただいた返信で元気になれたりする。仕事で疲れて帰って、すぐに自分の時間にしたいけど、姑の入浴の手伝いがあるとか、話を聞かないといけないとか、何かそういうときにでも、ちょっとメールを開けば、いただいたメッセージを読むだけで、ずいぶんパワーアップしたりする。相手からもひとりごとが聞けたりする。こういうのは、結構深いところでのつながりになって、私自身を支えてくれたりもする。本当に、人に支えてもらっているナーと思う。

 そして、こういう人生を過ごせるようになったのも、やっぱり夫と結婚したからだろうと思う。自分で決めること、自分で幸せになること、互いに成長し合える関係性でいることが、夫との結婚生活で学んだことだ。「幸せにします」とか「一生付いてきてください」とかいうことは一言も言われず、むしろ「幸せになってください」って言われたりして、すべては自己責任ってことを、実感させられ、それができるようになるように、15年間夫婦をやってきたような感じ。

 さて、今後、やっぱり今の一番の興味は、仕事のこと。やっぱり1件ごとを大切に仕事をしたいし、つながりも作ってゆきたい。
 家族とのかかわりは、今後どんな感じで変化してゆくのか・・・これは、無理せずにそのときそのときの流れのままに、身を任せようかなーって思っている。時に応じて、
考え方も動き方も
変わってゆくだろうから・・・・・。

 ともかく、書かせていただくチャンスを頂けましたこと、感謝しております。
NAGIサンありがとうございます。そして、最後までお読みくださいましてありがとうございました。文中の週刊ひとりごとの送信を希望してくださる方がいらっしゃいましたら、下記メールアドレスにお知らせくださいませ。

e-mail : steps@mx1.tiki.ne.jp



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