5月4日の会で初めて鳥山敏子さんのお話を聞きました。映画もお話も、胸の奥に応えるものがありました。この体験をもっと多くの人と分かち合いたいと思って、今度は自分たちでこの会を企画しました。
「本気で生きる」「本音を伝える」――そのように「今」を生きないで、どうして生き生きと人生を楽しめるでしょうか、子どもたちに「未来」を語れるでしょうか。映し出されているのは「子ども」の世界ですが、これは、私たち大人が向かい合う問題だと思いました。
(開催に当たって主催者からのメッセージ)
6月26日(水)
再び、「みんなが孫悟空」上映と鳥山敏子講演会 が開催されました。
私にとっては、3回目の「みんなが孫悟空」です。でも、見るたびに、映画の中に、そして、自分の内側に、発見があります。もう涙は出ないだろうと思っていたのに、やっぱり胸が熱くなりました。
5千年間封じ込められることになった孫悟空が、自分を閉じ込める手から逃げようとして叫ぶ場面があります。中国公演に出発する前日、ここを何度も練習するシーンがありました。身体をよじって自分を絡めとろうとする手から逃れようとする悟空を演じる子ども。その叫び声を聞き、その動きを見ていると、私自身、そして私の子どもとだぶって、涙がこみあげてきました。自分自身、世間体や評価や常識からの押し付けに反発してきたのに、その私が、自分の子どもをまた、同様な不自由なからめ手の中においている――。
映画の最後、モンゴルの青く広い空の下で、子どもたちが馬に乗ります。くったくのない、とびっきりの笑顔。自由になるって、こんなに簡単で気持ちがいいなことなのに、どうして私たちは、こんな簡単なことができないんだろう。
自分の子育てを振り返って苦い後悔の思いと、この自由な心を子どもたちに手渡していきたい、という思いが浮かんできました。
アンケートから
5月4日に初めてビデオを見たときは、自分が「小見山君」と同化して、よってたかっていじめられているように感じ、涙があふれてきました。今回は冷静に見ることができました。最初は心の中のわだかまりを言えなかった子どもたちが次第に心と口が直結してことばをはきだせました。どんなせりふよりも心に響きました。本人たちもすっきりしたことでしょう。
話し合いのとき、中1の女の子が、以前担任だった先生に自分の気持ちを打ち明けても聞いてもらえなかったと訴えているのを見て、こうやって人はだんだん本当のことを言えなくなっていくんだなあと、改めて感じました。こう言ったらこう思われるだろうと先回りして、話せなくなっている私がいます。 (40代女性)
わが子に自由を与えない自分と、自分に自由を与えない自分に気づくことができました。
(30代女性)
学生のとき、斉藤喜博先生が指導されていたオペレッタや合唱を見たり聞いたりしたときの感動を思い起こし、胸がふるえました。家の都合で教師をやめてしまったけれど、子どもたちのあの声、あの顔、今更ながら、もっと続けていればよかったと、子どもたちと何かを積み上げていくすばらしさを手放してしまったさみしさにかられました。
自分が持てるものすべてをぶつけていくことのすばらしさに、私にも何かできることを探していけたらと思います。
講演を聞いて、背景に在る重さに改めて教師としてのしんどさを思いました。現役の先生方にぜひ聞いてもらいたいお話でした。また、親たちにも、それぞれの立場を知ってもらうために、聞いて欲しいお話でした。 (40代女性)
想像をはるかに越えた映画でした。あんなに迫っていく映画は現実では経験したことがなく、ビックリしました。せりふが少しずつ生きた力のあるものに変わっていくのがよくわかりました。
(40代女性)
今、本気でぶつかることがほとんどないような気がする。きっとわずらわしいことから逃げているのだろう。ビデオを見て、ぶつかってみたいような気がしてきた。スカッとするかな?
(40代女性)
映画を見て感動しましたが、表現することばがまとまりません。素直に自分を出せない私自身の現れでしょうか?
「あすかさん」でしたか?眼がキョロキョロ動いていましたが、私も他人と目が合うとまぶしくてすぐそらしたくなります。でも、映画の中での対決場面のような体験をしていくと、人と眼を合わせられるようになれそうです。人とのかかわり方で、自分をどう出していけるか。問題を見つけると必ず取り上げて対処していかれる鳥山先生―徹底した姿勢がすごいです。
これまでは、映画をみたあと書いたものです。
先生の話を聞いたあとでは、上記の感想などぶっとぶくらい再び感動! とにかく自分が変わらないといけないと思いました。自由な心を持って、自分の気持ちを大切にしたいです。先生の生きる姿勢に感動しました。 (50代女性)
子どものときにあんな体験をしたかった。 (50代女性)
私自身が意思表示することができないのに、子どもには「はっきりものを言う」ことを迫ってきました。子どもの不登校を機会に、さらに強く、自分の問題であることを意識してはいますが、なかなか40年かかって築き上げてきた思考パタンは変わってはくれません。まず家庭の中で言いたいことが言い合える空気を作りたいです。 (40代女性)
言いたいのだけど、年上の人、強い人、大勢の人に対しては言えないというようなことは、自分自身の子ども時代に実際にあった出来事でした。
言わないと相手の言い分が出てこない、言わないと自分自身の思っていること、心の中にあるものがでてこないことが、わかりました。 (40代男性)
ほかにもたくさんの方からアンケートをいただきました。ありがとうございます。
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