23
えと・おーるつうしん23号
[2002.07.10]
■上映会と鳥山敏子講演会
■最近のいろんなこと
■ふぞろい野菜村便り
■口先徒然草 8
■女(ひと)かがやくとき
■自然農 in おかやま
■ご案内
口先徒然草 8 「どうして勉強するのかな」 by T.S
先月だったか、そんな疑問系の題材が電子メールにて届く。
「どうして勉強するのかな」と訊かれたときって、どう答えれば良いのだろうか。などと思いながらツラツラと思うままに書き綴りメール発信者にReメールをしました。
その後、「どうして勉強するのかな」について私なりに考えてみる。まず「どうして勉強するの。」と訊かれた時の状況を考える。
子供達から「勉強したくなぁーい」と言う感じで質問をしているのか。 単に「現在勉強しているのは誰の為で、何故「今」しているの」と勉強はしているが単純に疑問を抱いているのか。
家内から「何で子供達は、あんなに勉強を続けなければならないのか」と親の立場で伴侶としての質問なのかで、ちと答える態度と言うか、真剣さが違うように思える。
でも、「真剣さの違いはあるにせよ、回答は同じなのかな」とも思えた。
で、「なんで勉強するのだろう」
多分、「自分の為なのだろう」と思う。勉強をしている子供自身の為にしているには違いない。きっと、そうなのだろう。
過去の偉い人達も「人生で無駄な事はない」って言ってるしね。
ただ、子供達は直接に現在勉強を続ける事が、どんな形で自分の為になっているのかが分からないのだろうと思う。 これは私が小学・中学・高校生の頃、そうだったので、子供達も明確に「現在の勉強=自分の為」が見えないんじゃないのかな。
どうして「見えない」のだろうか。
身近に「自分の為」になっている人が居ないんじゃないのかな。子供にとって「勉強が自分の為」になっている身近な人って両親だよな。この両親の活き方を見て、どうも過去の勉強が親に役立ってるって思えないんだろうな。 だから、そんな疑問が生まれるのだろうか。
例えば、先々の明確な「夢」とか「目標」を持ってる大人ってどれくらい居るのだろうか。以前、私のお客様にそんな質問をした事がある。「彼方の事業をしていく上での目標とか夢は。先々、どうなりたいのか」としつこく訊いた事があった。
大体の経営者は「まっ、利益を出して借金を少なくし返済すること」「それから事業を大きくして安定した生活を暮らしたい。」「大きな自宅を持って、出来たら別荘も欲しい。」
その後の目標とか夢を訊くと「そうだね、海外旅行に行きたいし。愛人の2人でも持てるとうれしいかな」 それからと訊くと「……」答えられず、多くの経営者はキョトンとして何も言えなくなります。
つまり「独自の目的達成・夢を追いかける」を元々持てない大人が多いのと、それらを実行する事について彼等がして来た勉強とが結びついていないのが、子供達が疑問を抱く大きな原因になっているのではなかろうか。
例えば、水島工業地帯でリストラに合い自信を無くしている父親とか心配・取り越し苦労を続ける母親を見ていて、子供達って現在の勉強が「自分の為」になると思えないのではないだろうか。そんな風にも思える。
で、「勉強ってなんでするのか」
きっと「自分を知る為」じゃないのかな。物凄く漠然とした回答だけど、そんな感じがする。 子供達は、これから多くの出来事に出会い悩み苦しみ、それでも自分成りに回答を探し続けなければならない。そんな答えは、外にあるのではなく自分自身の中にある。その回答を安易に他に求めず、依存をせず、宗教・儀式・学問・心を超えたところにある自分自身回答を絶えず見つけ出す為に、現在の勉強をしているだろうと思う。
ただ、それが「現在の勉強をする事=自分の為」に具体的にイメージ出来ないだろう。
そして、私も子供達に明確にイメージ出来るような活き方をしてはいない。
きっと、私自身がそんな活き方をする事が出来たとき、私からの回答が子供達に伝わるのではなかろうか。
でも、それまでの私と子供達の時間が勿体無いから、ひとまず「どうして勉強するのかな」の問題は棚上げをして、「どうすれば勉強出来るのか」と取り組んだ方が賢明かな。
きっと、その内に回答も見つかるでしょうよ。
きっとね。
▲▲
目次へ
Since 2001.11.19, renewal 2006.1.28 無断転載禁止