37 えと・おーるつうしん37号 [2004.11.30] ■竹内敏晴レッスン
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旅物語らくだに乗ってprocess31
モヤモヤを集めましょう!
by M.Y(創育舎)


子育てで『ん?』と思っていること

 2005年2月5日(土)に講演会 「放任にも過保護にもならない子育て -どこまで子どもに手をかければいい?」 (講師:平井雷太氏)があります。その準備会でのことです。 「子育てで『ん?』と思っていること、困っていることはどんなことですか?」 というアンケートの回答をめぐって「自分だったらどうするか」という話をしていました。

やり方は違うから安心

 「就学までの子にどの程度の学力と生活習慣を身につけさせておけばよいのでしょうか?」という問いかけがありました。
 生活習慣ってどんなことかわからないのでたとえばトイレトレーニングだったら、という仮定で話をしていたのですが、Aさんは 「マニュアル化していた」 と話されていました。 「@トイレのドアを開ける Aズボンをさげる・・・」 等、細かく区切って、どれは自分でできるか、手助けがいるのはどれか、どれができて、どれができていないかを子どもといっしょに考えていた」と言います。
 Bさんは、「私はトレーニングはしなかった。おもらししたら、自分で洗ってもらっていたし・・・」と言います。
 そのほかにも、それぞれの体験が語られていきました。 「産前産後はブルーで、子どもを背負ってでも、車を走らせて子育て中の人と話をしにいっていた」 など、実感あふれる話が相次ぎました。
 お話を聞いているうちに当然のことなのですが、それぞれのやり方で子育てをしてきたんだなあという思いが強くなってきました。先ほどのトイレトレーニングのように正解はひとつだけじゃないのです。一つじゃないってことは、自分のやり方でよかったかもしれないし、ほかの人のやり方を取り入れてもいいし、自由度がふえる感じです。

モヤモヤがつくる分科会

 先日、「全国教育系ワークショップフォーラム」(国立赤城青年の家主催事業)に行ってきました。野村誠(作曲家、音楽家)、 星川 淳(作家、翻訳家)、 益田文和(株式会社オープンハウス 代表、東京造形大学デザイン学科教授)、吉村和彦、檜本直之(大阪府立松原高校 校長、教諭)など15名に及ぶゲストと全国から160名の方が集まっていました。そこで、いくつかの全体集会と三つの分科会に出たのですが、一番印象深かったのは最終日の参加者が呼びかける分科会でした。
 「クエスト」と呼ばれる「問い」を夜のうちにボードにはっておいて、翌日、張った人の1分間のプレゼンテーションを聞いて、参加者がどの分科会に参加するのかを決めるのです。全部で16ほどあったのですが、私は「なぜワークショップには、何日から何日までとか、何時から何時までといった期限があるのか?」「ワークショップの質と量の関係は?」というテーマのジョイント分科会に参加しました。テーマのわからなさにひかれてのことです。
 呼びかけの背景を聞いたところ、「ワークショップに参加して変化したように見えても、次に会うとまた以前と同じようにネガティブなことを言う人がいるのはなぜか?」というようなワークショップが終わってからの日常の過ごし方に関係に問題意識があるようでした。そこから、その分科会に集まった8名が前に話した人の話を受けて話す展開になったのですが、ダンス・ワークショップをされている舞踊家の方の「体験したことは忘れない。ダンスでも量をこなすことで質が変わっていく」というお話が印象的でした。

量が質を変える

 私の教室でもそうです。子どもたちは、同じプリントを何十枚、ときには百枚以上も繰り返すことがあります。一枚にかかる時間もミスの数も変化が見られないことがあります。ところが、ある日突然、時間がはやくなり、ミスが減ることがあります。それは感動的です。でも、やっているとき変化がないからといって、プリントに向かわなかったら、突然の変化もやってきません。それを思うと舞踊家の方の「量が質を変化させる」という話に納得します。表面的には変化が見られなくても、水面下では徐々になにかが変わっていっているのでしょう。
 ある学生さんは、元気よく自己紹介の口火を切ったのですが、会が進むにつれ口数が減り、元気がなくなっているように見えました。ところが終わったあと感想を聞いてみると、「モヤモヤが晴れてスッキリした」と言うのです。そういえば、「クエスト」を書いた方も「なんかモヤモヤして書いた問いがわかりにくいと言われたんだけど、書き直せなくて・・・」と話していました。
 「モヤモヤ」 や 「気になっていること」、「ほんとうに聞きたいこと」 をテーマに持ち寄っていたことで、能動的に参加する場になっていたようです。私にとってもだれかが初めからある答えを伝達しようとしている雰囲気がなかったので話しやすい場でした。モヤモヤいいですね。

講座もモヤモヤで

 2月5日は講演会、翌日は「学習コーディネーター実践講座」という講座があるのですが、そこでもモヤモヤや聞きたいことが集まったらいいと思っています。講演会や講座を作るうえで、みなさんの体験が役に立ちます。子育てに関するモヤモヤなどありましたら、rahu@mx1.tiki.ne.jpまで送ってください。
 また、講演会講座情報をできるだけブログ「らくだ もじもじ日記」で流したいと思っています。一度のぞいてみてください。





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