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えと・おーるつうしん50号
[2007.02]
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50号目次
*げんきだより* by Y.A
えと・おーるのみなさんに、私の現場が伝わったかどうかわかりませんが、竹内レッスンなどで「げんきだより読んでるよ」と声を掛けられると、とても嬉しかったです。
私が「げんきだより」を書き始めたのは、11年前のこと。当時、私立幼稚園に体育専任講師で勤務していたのですが、なぜかこの幼稚園の、あまりにおりこうな大人の言うことをよく聞く子どもが気になっていました。「いい子が危ない・子どもがへんだ」そんな言葉がチラホラし始めた頃です。その中でも時々、子どもだなあと感じられるおもしろいことを見つけることができました。まだ残っている子どものおもしろさを伝えることで、本当にへんなのは子どもなのか?と、問いかけたかったのです。
子どもの楽しい所、おもしろい所を書くのにAちゃん・B君はないだろうと実名にもこだわりました。保護者からのクレームはありませんでしたが、園の先生から「実名は避けるべき」という教育者的意見が出ました。その後、園を辞めた私は自ら主宰する「とらいあんぐる体操教室」に場を移し発行し続けてきたのです。NAGIさんに勧められ「えと・おーる」に載せて頂くようになったのは今から5〜6年前です。
無名の「とらいあんぐる体操教室」は20年目に入りました。今、ハンディを持つ子どもの数が増え、その子どもたちのお陰で、私たちスタッフはもちろん、周りの子どもたちがとても多くのことを学習しています。いろんな子どものいる集団でからだを使って遊ぶことは、学びの宝箱の中にいるようなものです。至る事・至る所で起こるもめ事は、やがて人と繋がるための種となり、子どもたちの中に植え付けられているのです。ただ、勝つためだけのスポーツクラブではないこの教室を、自分の信じる方法で行っています。
一般のスポーツクラブでは強い人が貴重です。そのスポーツクラブの看板となるのですから。しかし、とらいあんぐるでは、弱い人が貴重なのです。「苦手・できない」大丈夫 。だから、習いにきたんでしょ。弱い人に優しいことを心から不満に思う子どもはいません。もし、文句を言う子どもがいたら、その子こそが弱い人なのです。このような、風変わりな体操教室を信頼し応援してくださる保護者の方々にはいつも感謝の気持ちで一杯です。縁あってここに来てくれている目の前のこの子どもたちを大切に、責任を持って運動を教えることが、私の仕事です。これからも、ささやかに仕事をしていくつもりです。
NAGIさん、今までありがとう。拙い文章を読んで下さったみなさん、ありがとう
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